「なあ、門倉」
地に倒れた門倉を見下ろしながら南方は問いかける
「強者が弱者を駆逐して何が悪い?」
起きあがるほどの力を無くしているのを見越してか
南方の声は穏やかで、優しくすらある
それに答えるでもなく反駁するでもなく
目を開きじっと見上げている
同意などするわけも無い
かがみ込んで
すい、と手の甲で門倉の頬に触れる
「欲しいものがあるのなら強くあればいい」
「それだけのことだろう?」
言うなり、先までそっと触れていた手で
顎を捉え引き起こしてゆすぶる
動物に言って聞かせるように
そうやって目を合わせると
歯列に割り込ませた親指にギリ、と歯を立てられる
その小さな反抗を心待ちにしていたかのように
唇の端を引き上げて笑うなり
地面に叩き付けた
鈍い音と小刻みな痙攣
半開きの唇からそっと指をはずし
血の味のする唇に大事そうに口付けた
南方が門倉をペロリとですね…、いや、なんでもないです。
このカプは二人ともどSな所がポイント。