眠る君の横顔


少し力を加えただけでポキリと折れてしまいそうな首
すやすやと眠る男の青白い顔を見つめながら神父は思案する
孤児院にやって来たときから変わらぬ不遜な態度とはうらはらに
マクスウェルにはとても脆いところがあるのを自分は知っている。
『僕は偉くなってやる』
そうやって虚勢を張ったところで
私にはお見通し

だから

いつかおまえが

虚勢を張るのに疲れたときには

私の手で安息を

「何だ」
低温動物のようにゆっくりとまぶたを開き
起き抜けから挑発的な目線をよこす
気配というものにまるで鈍感なお前のことだから
何かに気づいたわけでもないのだろうが。
まじまじと見つめていたのがいけなかったのか…
どれくらい眠っていたかと訪ねられ、小一時間ですと答える。
「会議まで何分ある?」
―あと30分程余裕がありますよ
自分でちゃんと把握しているくせに
こうして聞いてくる所が甘えている
「ならもう一眠りする」
―遅れますよ
「少し遅れるくらいがいいんだ」
―そうですか
重役出勤と言いたいのだろう。
―5分前に起こしますよ
「変な気は起こすなよ」
―……はい

御休み、マクスウェル


……
全然横顔じゃない←適当