水もしたたる


雲行きが怪しくて
自然と歩調が速くなる。
こんなことなら少し待つなりすれば良かったと
考えたやさきに大粒の雨がぴしゃりと頬をうつ
避難する間もなく
突然の大雨になすすべもなく濡れねずみ
水を含んで重たい金髪
細いあごから水滴を滴らせながら
開き直って歩き続ける
気温が高いので濡れた服が体温を吸って妙な心地

気がつけばいつもの玄関

「マクスウェル」

いつものデカい神父

バスタオルでお出迎え
毎度準備がいい
突っ立っていると額にはりついた髪をのけて
そっと顔を拭われる
目を閉じてまかせると
包まれたまま横抱きにされて部屋に運ばれる
椅子に着地
濡れた服の釦をはずしてゆく指
自分で脱がずにいれば少し乱暴に剥ぎ取られる
上着、手袋、ジャケット、シャツ…
「寒い」
シャツ越しに触れる熱い手にゾクリと肌が粟立つ
毛布でくるまれた
椅子ごと回転させられて後ろをむかされる
ドライヤーの風
髪に触れられるのは気持ちがいい

水に濡れると体力を消耗するものなのか、まぶたが重い
抱き上げられる腕を感じながらゆっくり目を閉じた。