『ジェレミア』



そんな風に呼びかける

普段はそうは呼んでもらえないけれど

二人きりのときだけ

耳元でささやく低い声



ジェレミア



愛してる



本当に?

考えるたび泣きたいようで

確認することは恐ろしい

多分否定の言葉は返ってくるのだろうけど

本当に?

既にお前の目は他のものを捉えているというのに

過ごす時間も語る時間も確実に減って

興味がないのか

なくなったのか

さようなら

振り返らない背中に別れを告げる

せめて嫌われないようにと

できるだけ早く

渡し損ねた贈り物

冷えた廊下を歩き始める













「ジェレミア?」

いつの間に

居なくなった事にさえ気付かなかった

よほどそっと出て行ったのだろう

珍しくジェレミアから会いたいと誘われて

うきうきとしていたものの

報道特番と騎士団の情報管理でつい作業に没頭してしまっていた。

時計を見れば3時間以上経っていた

悪い癖だな

そろそろ愛想をつかされる

怒ったかな

なんとなく想像がつかない

普段そう振舞って見せるように

尊大でも自信家でもなく

ただあの暖色の瞳で

静かに見つめるだけで

頼りなくさえ見えて

「…」

自分は悪い男だと思う。

次に会うときはしつこい位何度も



愛してると言おう













ナリタ攻防戦

主要勢力から外された純潔派も狩り出されたようで

あれからしばらく連絡がつかない日が続いた



黒の騎士団と軍の情報

自分が握っていたのか

愛するもののいのちの行方を

リストに名前が載っていた

帰ってこなかった

面影の残るアパートの一室

嘘の様な明るい光が窓からこぼれる

音の無いシンとした

古い想い出をそのまま形にしたような

きれいな部屋

デスクをそっと撫でて

何かに導かれるように引き出しを開けると

自分に宛られた白い封筒

中には

淡い橙色の

いつだったかこの色が好きだと言った

お前の瞳の

小さな石のついたカフスボタン

ネクタイをしないと言ったから



happy birthday dear...



あの日

今の今まで思い出さなかった

名前を呼ぼうにも声が出ない

何も言わずに出て行ったお前の

多分寂しい目をして

てのひらの小さなかたまりを

握りしめる事ができない

瞬きすらできないまま

地獄のような静けさに飲み込まれた















カオスなはしゃぎっぷりから想像もつかない
ダークラブラブディジェレ←嘘
すれ違い愛…(ねつぞう)
オレンジが死んだ事を信じたくないDさんは
騎士団の情報網も駆使しつつオレンジの消息を探し続けます
スキップしてたのはまあ…アレです(何だよ)
ダルジェレの監禁話に続けようと思っていたのですが
Dさんが酷い奴になる筋書きだったので
練り直しています(ねりねり)
というか酷いのは書いてるnisiだってわかってますって本当…