透明な液体が白い頬をはしりとっさに手をどける
己れは何を動揺しているのだ
腑に落ちない気持ちに苛立ちではない別の感情の存在を知る
違う
動揺しているんじゃない
ましてや同情しているのでもない
釈然としないのは人形のように沈黙したままの者を
黙って逝かせてやるのでは気がすまないから…

そんなものでは飽き足らないから…


動きをなくした唇にいのちを吹き込む


ひゅ

と喉が鳴り眉が苦悶に歪む
傷のせいで深く息を吸い込むことができず身をよじって喘ぐ

その

ひたいに手をあてて

やんわりと


なでた












殺せず立ち去る(ヘタレ)