あのイシュバール人の傷は私のつけたものだ
凍りつくような大気の中で意識が薄れ
薄暗がりの中で目が覚めた。
機関士達がやって来て何か言っていた辺りまで記憶にある。
ここはおそらく病院。
目が覚めた途端吐き気に見舞われ寒さと供に痛みがよみがえる
浅い息を繰り返しながら自分の置かれた状況を確認する。
誰もいない、シンと静まり返った病室。窓は一つ。
幾重にも巻かれた包帯と異様に熱を持った己の体。
体がなまっていたとは言えこんな傷を負ってしまうなんて
下手をすればあのまま死んでしまっていた。
もっとも今、このまま死なないとも限らないのだが。
―――死が追って来る
むしろ今は傍らに立っているような気がする。
そろそろと手を移動させて傷のある場所を探ると
息も止まるような痛み
それにはじける様に体を丸めるでもなく
ただビクリと全身を引きつらせることしかできぬ自分の体に
頭の片隅で悪態をつきながら
再び泥のような暗闇に意識が飲まれていくのを感じた。