「ねえ…抱きしめてくださいよ」





表情はうかがい知れない


足元を見つめながら


額を己れの胸に預けながら


穏やかな口調


冷たい白い指先が肩に触れる


凪いだ湖面のように


読み取れない感情


瞳を覗こうと顎に手をかければするりとほどかれる


足元を見つめたまま


心地よい音楽に身を任せるように


瞳を閉じて


生きている音を


聴いている