寒暖
シンと冷えた部屋、ふと目をさまして心もとなさに震える。
布団から露出していた顔の表面が外気と同じ温度になっているようだ。
鼻の奥がツンと痛み、自然と目が潤む
しっかりと覆ってあるはずの爪先もかじかんでいて
身体中の体温が低下している感覚にごそごそと起き出す。
「寒…」
暖炉の火は小さくなっており
わずかに炭が赤く光るだけだった
凍るような床にはだしで下りて薪をくべる。
パチパチとはぜる音に部屋の静けさが際立って
ザワリとこころが揺れた
「スカー…?」
―いない
鼓動が速くなる
用があって外に出ているのではないと感覚がそう告げる
窓の外はまだ暗闇
足元の地面が消えて失せるような喪失感に目がくらんだ
ぐっと胸を締め付けられる感じに両手で自らを抱く
ひとり取り残されることへの恐怖
監獄の冷たい床がフラッシュバックする
ひたりと、歩み寄った男の寝床は温度を失っていて
もう随分前に主が出て行ったことを物語る
何故、やはり…思いが交錯する
当然といえば当然のこと
元々不自然なのは今のこの関係
殺し、殺されるためのお互い
それが本来の
ならば何故こうしていたのだったか?
わからない
わからない
星がくっきりと浮かび上がる
ぴりりと刺すような夜気の中を行く
もっと早く出て行くべきだったのだ
自分はあの男を殺そうとしていたのだった
それが殺せなくなった
ならば何のために俺は今こうして生きているのか
呪われた腕で
殺すためだけに
そのはずが
何か忘れ物をしたような気がしてあの部屋に引き返す
戻るべきではないのに
ドアに手を掛け
何故か焦がれた部屋に踏み入る
そこに在った物は
殺人鬼の頬に伝う涙
いつか必ずやってくる別れのときを予想して
書いたのですが別れられませんでした。
きっかけは機会があれば…書きま…す…
↓以下反転・蛇足説明
きっかけは日常に普通に転がっているほんの些細な事で、
元々性格的にも絶対相容れないような二人が
共通に持つ喪失感を元に繋がっているため
理解しがたい行動を相手が取ると徹底的に反発してしまうという…
別れられませんでしたけど。
喪失感の原因は、
スカーの場合はキンブリーによって奪われた家族
キンブリーの場合ははじめから持たない"家族"的なもの(祝個人設定…)
スカーが"持っていた"事があるのに対してキンブリーはそのものを知らないので
そこにズレが生じてうまくいかなくなったりします。という…話…すみません…
(無理やりまとめました…)