<妄想その1>しゃけと言わせたい
花見の席、部員全員分の大きな重箱を開けて広げていく。
まだ青いみかんや揚げ物にフルーツ、そして沢山のオニギリが並んだ。
「具は何ッスかねー」
「おう、高菜・昆布・梅・シーチキン、それからこれは鮭だな」
高菜って何だっけ?
シーチキン好きッス!
アタシは梅がいいわv
めいめいが好きな具へと手を伸ばす。
ワイワイと料理に群がるメンバーとは対照的に
ヤクザ屋さんとひと悶着おこして雲水にみっちり説教を喰らった阿含は
隅っこでムスッとしていた。
雲水は小さくため息を吐いて阿含に向かって問いかける。
「お前は何にするんだ?」
憮然とした顔で横を向いたまま、それでも雲水の問いかけに答えるべく口を開いた。
「しゃけ」
しゃけ…
「…どうした一休!?」
「なんだ一休が崩れ落ちたぞ〜」
何事かと一休に駆け寄るメンバーをよそに
雲水にオニギリをもらった阿含は
春の陽気の中しあわせそうに伸びをした。
阿含の「しゃけ」発言にツボッた一休の話(季節はずれ万歳)