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閑散とした片田舎のファミレスに
坊主とドレッドという毒々しい組み合わせのしかも双子がいた。

「阿含、お前は何でウエイトトレーニングだけ絶対確実に休むんだ」

「…」

阿含は澄ました顔でフォークをたたんでみせる

「必要ないんだけど」

ポイと放ると丸く形を変えたフォークはきれいな弧を描いてコップの中に落ちた

「散らかすな」

眉間にしわを寄せる兄の顔にはその力への賞賛も畏怖も無い。
阿含からすればトレーニングの必要性が無いことをアピールしたつもりなのだが…

「…」

しばらく問答を繰り返していたが埒があかないと見たのか
雲水はテスト勉強を始めてしまった。

「つまんない」

阿含はメニューを弄びながら何だか可愛らしい愚痴をこぼしている。

「せっかく雲水と二人だって言うから来たのに」

無駄骨じゃん

まえにどこかのファミレスで聞いたようなセリフだが立ち去る気配は無い。
メニューの影から眉間にしわを寄せてうらめしそうにみつめている。
ちょっと狛犬みたいだが普段の尊大な様子と比較するなら、きっと甘えているのだろう。

「お前は…、不満を言う前に自分の行動について悔い改めようという気は無いのか」

反省の色が全く見られない弟に半ば呆れ顔の兄。
説教のつもりで呼んでも何故か毎度嬉しそうにのこのことやって来るのだから仕方がない。

「ナイ」

「…」

阿含にとって本当に必要のないトレーニングならしなくていいとも思うが
素行に関しては妥協点から遠すぎる。

「失礼します、季節のパフェをお持ちしました」

「こっちです」

「…」

指差す阿含。
固まる雲水の前にストロベリーアイスにわんさとイチゴの盛り付けられた乙女チックなパフェが置かれた。

「…」

向かいには満面の笑みを浮かべた阿含。

そういえば今日は珍しく阿含の方が先に着いていたのだった。

「いつも心配かけてる弟より日頃の感謝の気持ちを込めてパフェ、俺のオゴリだから食べてねオニイチャン」

これは人様に迷惑をかける行為ではない。 弟からの好意であって、ましてや悪意などでは……

「ハイ、口開けて。アーv」





これを悪意と言わずして何と言おうか



















秋葉原のオムライスのCMが好きです。
嬉しくないこともない雲水だといいんです。