<前提2:ふたごは常に以心伝心>









「阿含、これは何だ?」

「はァ?何ソレ俺知らねー」




部の合宿中、宿泊施設の食堂のゴミ捨て場から酒瓶が見つかった。
期間中にそこを使用しているのはナーガのメンバーだけなので、おのずと犯人は浮かび上がってくる。
厳しい規律のあるチームの中に、合宿に酒を持参するような不届き者はいない。

ただひとりを除いては…



阿含は試合のビデオを見るために持ってこられたテレビにPSをつないでゲームをしていた。





「嘘をつくのはこの口か!!」





「ギャ―!」

頬をつねり上げられてコントローラーを落とす

「痛……!」

とっさに手をはたき落としたが、頬はじんじんと熱を持っている
紅くなった頬を両手で押さえて少々涙目の阿含は全く可愛くないこともない

「嘘をつくな。あと人が話しているときはこっちを向け」

一瞬言葉を失っているうちに詰問する



「飲んだだろう」



断定口調にカチンきたのか唇をゆがめて反論してきた

「何を証拠に俺が嘘ついてるって?」

飲んでる所見た奴でもいるわけ?
フフン、と余裕の笑み
(いたとしても「後デ殺ス!」視線で黙らせる予定)



「オマエは相手の言葉が全くの的外れなら適当に肯定して鼻で笑う(26巻某P参照)

 お前さっき否定しただろう」



「何の法則だ!!」

ツッコミを入れながら過去を振り返るってみる阿含



「何年の付き合いだ。嘘ついてるときのお前のパターンなんだよ」



「いちいち当て嵌められてたまるか!!知らないっつったら知らないんだよバーカ!!」



思い当たるフシがあったのかキレ気味である。

これで話は終わりだ、とばかりにコントローラーを拾い上げてリセットボタンを押す









「おや、鞄に何か…」







がしっ



行かせまいと兄の裾を掴んでしまった

今回ばかりはその神速の反射神経を恨まざるをえまい



「…」



「阿含」



「…」



「ごめんなさいは?」







「ご…」











「って言うわけねェだろうがッ!!子供か!」



「待て、阿含!反省しろ!」








ギャーギャーと怒鳴りあう双子の様子は神社の狛犬がじゃれ合っているようでもある
ちょっと怖い。係わり合いたくない。





「しばらくそっとしときましょうか山伏センパイ」

「そうだなァ…」


チームメイトは温かい目で見守るのだ













合宿所に酒を持ち込んで雲水に見つかる阿含。
ふたごなので嘘をついたら何故かバレます
雲水の命台詞「ごめんなさいは?」